【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法
今回は、【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法に関するお話です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は妊娠できるのか?多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療ってどういうものなのか?自覚症状が少ない多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は妊娠したいと思う方はぜひ知っておきたいこと。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療と妊娠について知り、上手に妊活ライフをはじめましょう!
※ひよこいキャンパスは、多嚢胞性卵巣症候群の不妊治療による妊活を経験した妻のひよこいがナビゲートします♪
こんにちは!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療による妊活をしていた、ひよこいです。
あなたは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)という言葉をご存知でしょうか。
おそらく初めて聞いたという人も多いのではないでしょうか。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)というとなんだか聞きなれない言葉ですが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は不妊治療を必要とする症状のひとつで、妊娠したい人にとっては他人事ではないものなのです。
私自身、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された一人です。そして実際に、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療をおこない妊娠へ向けての妊活を始めるときに、この多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について多くを学びました。
ここでは、私が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療による妊活中に学んだ【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法について、私が知っている事は全てお話していきたいと思います。
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療中に自分でおこなってきた体質改善の努力のなかで、本当に大切だと感じている4つのポイントもお話したいと思っています。
この「ひよこいキャンパス」を読んでいただければ、不妊治療による妊活の末、妊娠することができた私と同じだけの妊活知識について知っていただけると思います。
それではひよこいキャンパス、多嚢胞性卵巣症候群の教室本編のはじまりです!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とはどんな症状?妊娠しにくいって本当?
通常、卵巣の中にはたくさんの卵子があります。卵子は卵胞と呼ばれる袋に包まれていて、卵巣のなかで毎月1個ずつ卵胞が成長して、卵胞が約20mmぐらいの大きさまで成長すると、卵胞がやぶれて排卵されます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)というのは、毎月通常は1個の卵胞のみ膨らんでいくのに対し、同時に複数個が膨らんでしまうという特徴があります。
卵巣のなかで卵胞が同時に複数個も膨らんでしまうことにより、どの卵胞も十分なサイズまで成長ができず、排卵がおこりにくい状態になってしまうのです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は英語表記でも「polycystic ovarian syndrome」という長い名前なので頭文字をとって別名、PCOSやPCOと呼ばれています。
健康な一般女性の場合は、毎月平均して1個自然と排卵するところ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性の場合は、自力での排卵がしにくいというのが、この多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)という症状の特徴になります。
多嚢胞性卵巣症候群
【概要】原因不明の卵巣機能(排卵)障害の症候群
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性の場合、超音波検査で卵巣の中の様子を見てみると、中途半端に育ったままで破れてくれなかった卵胞がいくつもそのままの状態にネックレスのように連なっている症状を見る事が出来ます。
超音波検査をすると、このネックレスサインが見られるのが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の特徴になります。
【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法タイム!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の特徴は卵巣エコーのネックレスサイン・・・
私も多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されたとき聞かされた言葉だけど、こんなに響きは綺麗なのにこんなに嬉しくないネックレスは初めてでした・・・
次の項目では多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とその症状についてお話します。
自覚症状が少ないのが怖い!多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とはどんな症状?
上の画像をご覧ください。
これは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の卵巣のエコー画像です。卵巣の中にたくさん黒い斑点が見えると思いますが、実はこれ全部、卵胞なんです。
そうです。先ほどお話した、中途半端に育ったままで破れてくれなかった卵胞たちの症状なんです。正常な卵巣のなかにはこのような黒い斑点は現れません。通常は毎月1個膨らんで、それが破けてしまうので、常に卵巣のなかは綺麗なのです。
破れてくれなかった卵胞がいくつもそのままの状態になって、あたかもネックレスのように連なってる・・・この画像の症状がまさに多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の目で見える特徴的な症状です。
中途半端に育ったままの卵胞が卵巣の中にたくさんいることによって、新しく出来た卵胞もまたきちんと育たず、破けることなくそのまま卵巣に残ってしまう。つまり、時間が経過するにつれてどんどん卵巣のなかは狭くなっていき、どんどん妊娠しにくくなってしまうのが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状なのです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)にはいくつかの症状があります。代表的なのは以下の4つの症状です。
全てに当てはまる人もいれば、一部の症状だけ当てはまるだけでも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合もあります。
【臨床症状】
1.月経異常(無月経,稀発月経,無排卵周期症等)
2.男性化(多毛,にきび,低音声,陰核肥大)
3.肥満
4.不妊
参照元:公益社団法人 日本産科婦人科学会
このように多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による身体的な症状は、ひとつひとつ見ると気が付きにくものばかり…
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ではなくても生理不順になる事もありますし、ニキビができたときに多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を最初に疑う人はほとんどいないでしょう。でもニキビも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による症状の特徴のひとつといわれています。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の事を知らない人には、日常生活で明らかな自覚症状をもつのは難しい場合が多いので、妊活をはじめても全然子供を授かれなく、念のため婦人科に行ってみた際に、自分が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だと初めて気が付き、不妊治療を開始する人も少なくないようです。
実は多い!?多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による不妊治療は芸能人の方たちも
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)はとても珍しい症状にも聞こえますが、意外にもこの多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による不妊治療をしている人はとても多いのです。
100人のうち5人くらいは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だと言われています。言い方を変えれば95%の人は当てはまらないと受け取れるので、あまり自分も多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)かも感じる人は多くないかもしれません。
でも実は芸能人の方たちにも、この多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状に悩まされ、不妊治療に取り組んでいらっしゃる人たちがいるんです。
元K-1王者の魔裟斗さんの妻である、女優の矢沢心さんも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による不妊治療をおこなっていらっしゃいました。
もともと、生理不順な体質でもあった矢沢心さんは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を克服し第1子を授かるまでにおよそ6年かかったそうで、その間には多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療を克服するために、生活習慣や体質改善などさまざまな努力をされていたとのこと。
現在では夫である魔裟斗さんと、二人のお子様に囲まれてとても幸せな毎日を過ごされていて、同じ多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による不妊治療の悩みを持つ多くの女性、ご夫婦に勇気を与えてくださっています。
そして、タレントの中西モナ(旧姓:山本モナ)さんも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状に悩まされ不妊治療をおこなっていらっしゃいました。
中西モナ(旧姓:山本モナ)さんの場合は、もともととても健康で大きな病気はもちろん、生理不順などの悩みもお持ちでなかったそうです。
たまたま、不妊治療経験者のお友達に、「子供がほしいなら、婦人科に行っておいたほうがいいよ」というアドバイスを受けて婦人科の病院へ行ったらしいのです。そのときに初めて自分が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だと知らされたようです。
矢沢心さんのように、もともと生理不順の悩みをお持ちだった人もいれば、中西モナ(旧姓:山本モナ)さんのように全く病気の心配をしたことがなく過ごされていた方もいるなど、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合は一目でそれとわかる自覚症状が見えにくいので一見、健康そうな方でも実は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だったという場合が少なくないのです。
矢沢心さんも中西モナ(旧姓:山本モナ)さんもこうして公表されてますが、おそらく芸能人の方の中で多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療で悩まれている方でも、自分が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療をしている事実を公表されていない人も多いのではないでしょうか
いくら芸能人というご職業でも、こういったご自身の不妊治療の悩みを公表するのはとても苦しいことだと思います。さまざまな葛藤を乗り越えて公表しようと思われたのだと思いますが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による不妊治療の情報が少ないなか、芸能人の方も苦しんでいらっしゃったり、不妊治療を乗り越えられた話を見聞きするととても励みになりますね。
【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法タイム!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療をしている人は実はとっても多いみたい!
でも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できた人もいっぱいいるというのはとっても励みになるね♪次の項目では多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と食生活についてお話します。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因は?食生活の乱れが妊娠を妨げる原因になることも
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の原因は、実は現在でもはっきりとは解明されていません。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の診断基準は日本産婦人科学会によってきちんと分類されていますが、原因そのものはひとつに限定されるわけではなく、いくつもの要因が重なり合って多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状になるといわれています。
日本産科婦人科学会(日産婦学会)生殖・内分泌委員会(平成4~5年度)は「本邦における PCOS の診断基準の設定に関する小委員会(小委員長:青野敏博)」を設置し,日本で初めての PCOS 診断基準を設定した
参照元:公益社団法人 日本産科婦人科学会
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の医学的要因は大きく分けると内分泌異常が原因で引き起こされるものと、糖代謝異常が原因で引き起こされるものがあります。
1.内分泌異常
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の原因は内分泌異常と密接に関わりがあると言われています。通常女性の身体は卵巣のなかで卵胞を育てる際に、下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の内分泌がバランスよく協調して分泌されています。
卵胞刺激ホルモン(FSH)とは「卵子を育てて成熟させるためのホルモン」のことで、卵胞の成長に必要なホルモンです。黄体化ホルモン(LH)とは「成熟した卵子を外に出すホルモン」のことで、卵胞が破れて卵子が外に出るのに必要なホルモンです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性の場合、黄体ホルモン(LH)の分泌が過度に起きてしまい、卵胞が複数育って排卵しにくい原因につながっています。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は卵巣の中で、複数同時に卵胞が育ってしまい、結果どれも十分なサイズに成長できずに起こる排卵障害です。
卵巣の中で卵胞が成長しきれないと、黄体ホルモン(LH)の分泌が過度に多くなってしまうことで、「卵子を育てて成熟させるためのホルモン」である卵胞刺激ホルモン(FSH)が足りない状態になってしまいます。それが原因で卵胞が十分に育たなくなってしまうのです。
また、黄体ホルモン(LH)が過度に分泌されてしまい、卵胞刺激ホルモン(FSH)とのバランスがよりいっそう乱れて、卵胞の成長にとって負の環境に拍車がかかり更に排卵しにくくなる、というのが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の特徴です。
卵胞とホルモンの関係についてもっと知りたい方は、以下のコラムでお話しています。
2.糖代謝異常
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の原因は糖代謝異常とも密接に関わりがあると言われています。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合、インスリンと呼ばれるホルモンが増加します。
このインスリンというのは血糖値を下げるホルモンで、インスリン抵抗性(高インスリン血症)があると、男性ホルモンが増加してしまうのです。
男性ホルモンは卵胞の成長を邪魔してしまうため、排卵しにくくなるのが、糖代謝異常による多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の特徴です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者さん一人ひとり原因が異なるため、治療方法に関しても必ずこれが有効だというのはなく、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の状態によって原因を探り、治療方法も変えていくやり方をとっているのが一般的です。
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は医学治療だけではなく、日頃の食生活や生活習慣を見直すのがとても大切になります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の多くの方がインスリン抵抗性を持っていますが、インスリン抵抗性(高インスリン血症)を持っていると、体が血中内の糖をエネルギーとしてうまく使うことができず、脂肪として蓄積しようとするため、体重が増えやすくなります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の原因のひとつである、糖代謝異常ではこのインスリン抵抗性(高インスリン血症)が大きく関係しています。インスリン抵抗性(高インスリン血症)をコントロールするには、鳥の胸肉や魚、大豆など、脂肪の少ない良質のたんぱく質を豊富にとり、白米や麺類などの炭水化物を控えるようにします。
このように日頃の食生活や生活習慣を改善することによって体のバランスを整えるのも、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の改善に必要なポイントです。
もしかして私、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)かも?どうやったら診断できるの?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は症候群と呼ばれるくらいですので、その原因はさまざまで複合的な原因が重なって起こる場合も多いのです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状は日常生活では自覚症状があまりないので、診断してもらうためには婦人科の病院へ検査しに行く必要があります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合、複数の卵胞が卵巣のなかにたくさん存在しているので卵巣の超音波検査をすればすぐにわかることも多いです。細かい原因を特定するためには更に、血液を採取し、血液中のホルモン検査などを実施して症状の原因を探っていきます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の診断基準は以下の3項目になります。
- 月経異常(生理不順不順や生理がない)の症状
- 多嚢胞性卵巣(超音波検査で卵巣に卵胞がたくさん連なってみえる)の症状
- 血中男性ホルモン高値またはLHが高値で、FSHが正常の症状
この3つの項目を満たせば多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されます。
参照元:多嚢胞性卵巣症候群の新診断基準(日本産科婦人科学会 生殖・内分泌委員会,2007)
【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法タイム!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状は自覚症状が少ないんだけど、そのなかでは生理不順は気が付きやすいポイントかもね♪
私ももともと生理不順でそれが心配で学生時代に婦人科に検査に行ったら、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されたんだよ。もしも生理不順を抱えている人は妊活前に自分が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)じゃないかどうかを検診しにいってみるといいかもね♪
次の項目では多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療方法や改善方法についてお話します。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療法や妊娠のための改善方法は?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状は原因がひとつではないため、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療法や改善方法は、自分の状況にあったものを選択していくようにします。
ライフスタイルの改善
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の改善を目指すうえで全ての人に共通するのがライフスタイルの改善です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状と向き合うには、日常生活から改善する努力も必要になってきます。健康的な食生活やサプリメントで不足しがちな栄養素を補い、身体の調子を整えるとともに妊娠しやすい身体作りもしていきましょう。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合は、一般の人よりも排卵できるチャンスが少ないです。少ないチャンスの中で妊娠にたどり着くためには、お医者さんに任せきりにするのではなく、自分で出来る努力も取り入れて、少しでも妊娠しやすくする事が大切です。
投薬療法
排卵障害ともいわれる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療では卵胞を育ちやすくし、排卵を促すための排卵誘発剤などの投薬療法がとられることが多いです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療では、排卵誘発剤によって得られた貴重な排卵の機会を大切にするため、自然妊娠を目指すタイミング法のほかにも、人工授精による不妊治療で妊娠を目指すケースもあります。投薬療法や人工授精などの不妊治療でも妊娠しない場合、体外受精による不妊治療へステップアップすることを多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療では検討していきます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合、不妊治療のなかで排卵誘発剤を飲み続けると身体が慣れてきてしまい、薬が効かなくなってくることもあります。そのため不妊治療で薬を飲み始めたら、出来るだけ早いタイミングで妊娠することを目指していきます。タイミング法による自然妊娠だけではなく、状況によっては早期で人工授精による不妊治療や体外受精による不妊治療へステップアップしていく場合も多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療ではあります。
漢方による体質改善
漢方薬としては、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、温経湯(うんけいとう)などが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の改善が期待できるとされています。他の治療との併用療法で漢方も使用される方が多いようです。
手術療法
腹腔鏡下卵巣多孔術と呼ばれるもので、卵巣表面にレーザーや電気メスを使用して複数の小さい穴をあけることで、排卵しやすくするという手術です。投薬療法でも卵胞が育ちにくいときにこの手術が、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療としておこなわれることが多いようです。
【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法タイム!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は原因がひとつに特定されにくく自覚症状が少ないですが、実は女性の5%位が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だとも言われてるみたい!妊娠を望むなら、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因と治療について知っておいて損はないよね♪
次の項目で多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状と流産の関係についてお話します!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の妊娠は流産しやすい?
女優の矢沢心さんも、タレントの中西モナ(旧姓:山本モナ)さんも、残念ながら多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療の末に妊娠されたのちに流産を経験されたことがあるそうです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された多くの人は、自分が妊娠できるのかという不安とともに、妊娠してもちゃんと出産できるのかという不安を両方抱えることがあると思います。
現代においても、根本的な原因がきちんと解明されていない多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)。やはりいざ、自分が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)だと診断されるとそのような不安を抱くのは自然なことだと思います。
ただ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が原因で流産しやすいという医学的根拠はないのですが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療中はいくら医学的根拠がないとはいえ、やはり不安な気持ちは湧いてくるものです。
自分のなかに不安な気持ちが湧いてきてしまうとストレスなどの影響がでてしまい、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状の改善にもよくないので、この不安を少しでも取り除くためにも、なるべく妊娠しやすい身体をつくる努力を継続していくというのがいいのではないでしょうか。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療から妊娠することができた人は、決して少なくないです。不安になりすぎず自分に出来ることを前向きに取り組んで不妊治療と付き合っていくということが大切になります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状を乗り越える健康な身体のために、今日から始めたいこと
1.葉酸は妊娠のために必須な栄養素
葉酸は妊娠したいと思う方にはとても大切な栄養のひとつです。出産までには妊娠するまでの努力と妊娠してからの努力がありますが、不妊治療ではまず妊娠するまでの努力にも苦労が伴うことが多いです。健康な方より排卵のチャンスが少ないケースが多い多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療中、少ない妊娠のチャンスを無駄にしたくないと思うのは自然なことです。
精子と卵子が受精卵になり子宮内膜に着床したときに正式に妊娠になるのですが、この子宮内膜にとって葉酸はとても重要な栄養素なのです。受精卵を受け止めるためには子宮内膜がふかふかのベッドみたいに厚くなっている必要があります。ふかふかでないとそのことが原因で、せっかく子宮内膜までやってきた受精卵を受け止め続けることが出来ないからです。
子宮内膜が厚みがあってふかふかな状態であるために必要な栄養素、それが葉酸なんです。
葉酸が不足していると子宮内膜が薄い状態で受精卵が着床せず妊娠しにくいのです。葉酸は通常の食事でもとることは出来ますが、成人女性が一日に必要な葉酸は240μg、妊娠を希望される方の場合、一日に必要な葉酸は倍の400~480μgです。
葉酸がたっぷり含まれる代表的な野菜はほうれん草です。でもたっぷり葉酸が含まれているほうれん草でも、どのくらいの量が必要かというと、なんと毎日茹でたほうれん草を4束も食べなくてはいけない計算になるのです。
毎日4束分食べ続けるのも大変ですし、毎日4束ほうれん草を買うとなると経済的にも負担がかかります。ほうれん草1束200円だとしても一日800円かかることになります。これが1ヶ月となると24,000円です・・・
このように現実的には、妊娠を臨む人にとって必要量の葉酸は食事だけでは補いきれないので、厚生労働省は、食品からの摂取に加えて、サプリメントから1日0.4mg(400μg)の葉酸の補給を勧めています。というのも、葉酸は妊娠しやすい身体を作ってくれるだけでなく、妊娠後、赤ちゃんの先天性異常を防ぐためにもとても有効だという研究論文が世界中で発表されていて、世界各国では既に葉酸サプリの重要性が広く認知されており、妊娠を望むなら葉酸サプリの摂取は当たり前というぐらい重要なものになっています。
葉酸と神経管閉鎖障害の症例対照研究
研究:Milunskyら、1989(CDC、1992年発表)
計画:前向きコホート研究ニューイングランド
対象:NTD児と正常児、NTD児の妊娠歴のない妊婦
結果:72%のリスク低減
葉酸と神経管閉鎖障害の症例対照研究
研究:Bowel、Stanley1989(CDC、1992年発表)
計画:症例対照研究オーストラリア西部
対象:二分脊椎児と正常児、NTD児の妊娠歴のない妊婦
結果:75%のリスク低減
葉酸サプリと神経管閉鎖障害リスクに関する介入研究
研究:Czeizel、Dudas1992
計画:無作為割付介入研究ハンガリー
対象:妊娠を計画している女性
結果:完全に予防
世界では以前より葉酸サプリの重要性について認知されていましたが、実は日本で葉酸サプリの重要性が呼びかけられ始めたのはまだ10数年程前からです。このような背景があり、まだ日本では全ての人が葉酸サプリの重要性を認知できていないのが現状ですが、現在厚生労働省は妊娠を臨む人は、積極的に葉酸サプリを摂取するように広く呼びかけているのです。
食品からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクが集団としてみた場合に低減が期待できる。
これからはじめて妊活をして妊娠したいと思われている方は、初めて知ることかもしれませんが、実は母子手帳にも葉酸の必要性が記載されているくらい、葉酸サプリは妊娠を目指す人にとっては特に重要なものなのです。
最近では身体にも安全で、安心してとれる葉酸サプリメントも多いので、適切な葉酸サプリを選ぶコツさえを知っておけば、妊娠へ向けての体質改善を頑張るあなたの強い見方になってくれるはずです。
葉酸サプリメントについて詳しく知りたい方は、以下の「葉酸サプリの教室」本編でお話しています。
⇒【葉酸サプリの選び方バイブル決定版】妊活妊娠に必須の葉酸サプリを安心して選ぶコツ
2.水は妊活中の身体のベース
人間の70%は水で出来ています。日頃から水をたっぷり飲むようにしていますか?
1日2リットルの水分補給を欠かさずおこなうことで身体の中の老廃物をしっかりと排出させるようにしてくださいね。水分不足になると老廃物が身体の中にたまり健康上も良くなく様々なトラブルの症状の原因になります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療による妊活中の身体のベースとなる水も工夫して摂取すると良いと思います。多くの産婦人科でもウォーターサーバーを置いてあるように、妊活をはじめるときにまず水を変えた人も少なくないようですね。
3.食事は栄養価の高い旬の野菜を
葉酸やお水も含まれますが、やはり人間の健康の源は食事です。しっかりと栄養価の高い食事を日頃から取り入れる習慣をつくるのは、妊娠しやすい身体作りにも役立ってくれます。栄養価の高い食生活をおくるには、季節に合わせた旬の食材を使用することがポイントです。
同じ野菜でも旬の時期のほうが栄養価が高く、そしておいしいです。近所のスーパーで旬の野菜を買うように心がけるとともに、常に意識してスーパーで買い物するのは大変と感じる人はネット宅配などで厳選された栄養価の高い旬の国産有機野菜などを、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療による妊活中に、少し取り入れてみるなどするのもいいかもしれませんね。
有機野菜について詳しく知りたい方は、こちらのページで詳しくお話しています。
⇒妊活のはじめの一歩としての、有機野菜【今日も妻に恋してるselection】
4.運動は新陳代謝をよくしてくれます
ジョギングなどの有酸素運動は脂肪燃焼効果だけでなく、新陳代謝をよくし、身体の血行を促進してくれます。また、ストレスの発散にも効果的なので多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療中に抱えがちなストレスを発散するには最適なものだと思います。継続してジョギングをおこなうことで基礎代謝もよくなりますので、身体全体のバランスも改善していく感覚も得られるので、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療による妊活中の運動として、週に一度の1時間のウォーキングからでも始めてみるといいかもしれませんね。
【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法タイム!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で妊娠を望むなら日頃の生活習慣の改善が大切なんだね♪
葉酸サプリメントやお水、栄養価の高いお野菜などで体質改善など自分で出来ることは実践していくことが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状と向き合う上でのポイントだね♪
ということで今回の「【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法」多嚢胞性卵巣症候群の教室本編はおしまいです♪
今日から始める多嚢胞性卵巣症候群の症状の体質改善まとめ
生理不順などの症状からもしかしたら自分も多嚢胞性卵巣症候群の症状かもしれない・・・という方や、既に多嚢胞性卵巣症候群と診断されている方、どちらの方にとっても、自分は妊娠することが出来るのかという不安を抱いてしまうのは自然なことです。
多嚢胞性卵巣症候群の症状の原因はホルモンバランスが影響しているので、自分の努力で出来る体質改善もあります。
実際に多嚢胞性卵巣症候群の不妊治療をして妊娠することが出来た私が強く実感している、多嚢胞性卵巣症候群の症状の体質改善に大切なのは4つです。
今日から始める多嚢胞性卵巣症候群の症状の体質改善まとめ
- 葉酸サプリで妊娠に必須な栄養素を確実に摂取
- 水は1日2リットル飲もう。水は妊活中の身体のベースとなる大切なもの
- 食事で栄養価の高い旬の野菜も取ろう。国産有機野菜は栄養も満点!
- 運動で新陳代謝を高め、ストレスも発散。まずは週に一度のウォーキング
「【多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)バイブル】妊娠のために学ぶ不妊原因と治療法」の本編はおしまいです♪最後に多嚢胞性卵巣症候群の私が妊娠するために最も大切にしていたことをお話します♪
さいごに…多嚢胞性卵巣症候群なら、間違った葉酸サプリを飲まないことが大切
最後に少しだけお話しするのが、多嚢胞性卵巣症候群の人には知っておいて頂きたい、葉酸サプリについてです。
多嚢胞性卵巣症候群の方なら、既に葉酸サプリの重要性をご存知かと思いますので、飲んでいない人はおそらくいらっしゃらないはずです。
葉酸サプリは子宮内膜を厚くして妊娠しやすくしてくれ、妊娠後の赤ちゃんの先天性異常の発症リスクを72%も軽減してくれるもので、現在では不妊治療の専門医だけでなく、国も「妊娠したい人は積極的に」葉酸サプリを摂取するように勧告しています。それだけ葉酸サプリというのは、妊娠したいと思う人にとっては最重要なものなのです。
葉酸は子宮内膜の強化や受精卵を作って守るという子宮内環境を良くする効果があります。葉酸は、不妊治療中の女性のみでなく、男性にも飲んで頂きたいサプリメントです。葉酸が不足していると精子の染色体に異常が起こる確率が高くなると言われています。
多嚢胞性卵巣症候群は、一般の人よりも排卵させるチャンスが少ないので妊娠するチャンスも少ないのが実情です。少ない妊娠のチャンスを逃さないためにも多嚢胞性卵巣症候群の方にとっては葉酸サプリは何より重要なもののひとつになってきます。
私も妊活中からずっと葉酸サプリを摂取した結果、妊娠出産することができましたが、葉酸サプリはただ飲めばいいわけではありません。
妊娠するために最適な葉酸サプリを飲まなければ意味がないのです。
もしも、いま飲んでいらっしゃる葉酸サプリを真剣に選んでいなかった方、もしくは実はまだ葉酸サプリを飲んでいなかった・・・という方は実際に多嚢胞性卵巣症候群の私が妊娠するのに大切だと実感した葉酸サプリの選び方をご覧いただければと思います。選び方だけではなく、不妊治療中、私が実際に効果を実感した葉酸サプリについても少しだけお話しています。
⇒多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠することができた私が実感した、妊娠するために大切な葉酸サプリの選び方の解説はこちらをクリック
※ひよこいキャンパスは、妻のひよこいが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療による妊活中の経験から学んだことをもとに作られています。みなさんの判断のもとご参考にして頂ければ幸いです。